以下のブログは、gooブログの管理者により利用規定に反すると指摘され閉鎖された、旧gooブログ「脳内写生ご異見版」より転載したものです。
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性行為感染症(STD)とは、性行為で感染する可能性のある感染症の総称で、一般的には「性感染症」と呼びます。

婦人科領域で扱う性感染症には、性器クラミジア症・性器ヘルペス症・ 尖圭せんけいコンジローマ・ 梅毒(ばいどく)・淋病( 淋菌感染症)・トリコモナス症・子宮頸がんなどがあります。
これらの多くは女性器に何らかの症状が現れ、婦人科を受診すれば診断が可能です。
さらに性感染症として、HIV感染症(エイズ)やウイルス性肝炎など全身症状を主症状とする病気もあります。

要するに性行為により相手から感染した症状が性行為感染症なのですが、私は「性行為により相手から感染した性行為感染症」ではない「内発性の性行為感染症」が存在すると思っています。

たとえば、膣の中は口の中や鼻の中と同じで多種多数雑多な細菌が常在しており、これらは常在菌と呼ばれ、常在菌は互いに縄張り争いや勢力争いをしています。

通常、特定の細菌が増えないように健康な人の場合は乳酸菌の勢力が強く、これにより膣内は弱酸性に保たれています。
ところが性行為により乳酸菌の勢力が弱まることがあり、常在菌のバランスが崩れた結果、相手から性病を移されなくても膣の炎症(膣炎)が起きることがあるのです。

これは明らかに相手に移された性行為感染症ではなく、膣の中で起きる「内発性の性行為膣炎」なんです。

「アナタ!浮気したでしょうッ!私、婦人科で性器ヘルペス症って診断されて大恥かいたワッ」なんてパートナーに追及されたことありませんか?
身に覚えがないのにパートナーから「浮気した」とか「風俗に行った」と疑われ、困惑した男性も多いことと思います。

でもね、男性が浮気しなくても、また風俗に行かなくても、女性は常在菌のバランスが崩れると簡単に膣炎が起きるんですよ。