優先席
最近、優先席の表示の中央に「十字架」があることに気づきました。

イスラム圏からたくさんの旅行者が来日し、ハラル認証の食品や飲食店が次第に増えているなかで、公共交通機関の優先席の表示の中央に「十字架」のマークがあり、いたるところに「赤十字」のマークや、作業の安全を掲げる「ミドリ十字」のマークがハンランし、キリスト教徒でもないのに、アクセサリーとして十字架を身に付けている人もおります。


最近、IOCが東京オリンピックまでにあらゆる性差別や宗教差別をなくすことをJOCに通知して来ましたが、実は「赤十字」は【戦争や紛争などで傷ついた人々人や、それを救護する軍の衛生部隊や医師・医療施設等を保護するためのマークであり、紛争地域等で「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならない】と国際法や国内法で厳格に定められています。


換言すれば「赤十字」は戦争や紛争に関わる医療・救護の意味があるのであり、医師や医療機関であっても自由に赤十字のマークを使うことはできません。


「赤十字」のマークや、工事現場に掲げられた「ミドリ十字」のマーク、さらには薬局や市販薬・救急箱等のいたるところにオレンジや黄色の十字のマークがあり、さらにカーナビや地図に使われる地図記号にも教会と保健所には「十字架」が使われています。


実は「十字」のマークは、イスラム圏の人々にとって抵抗感がある記号なのであり、このため「赤十字」のマークに付随する宗教性が議論された時代もあり、いまもその解決策の検討が重ねられています。


改めて身の回りを見回して見ると、わが国はあまりにも「十字架」を不用意に、しかも広範囲に医療機関や薬のシンボルとして流用してきたのであり、戦争や紛争に関わる医療・救護の意味がある「十字架」のマークを分別(ふんべつ)なくダラダラと使用してきたことを反省し是正しなければならない時期に来ています。
 
わが国の「赤十字」は皇室関係者が役員を務めているので、「赤十字」はイスラム圏の人々が受診しにくいと発言しにくい状況にありますが、東京オリンピックまでに性別・宗教・国籍等の差別を撤廃しなければなりません。

真の「おもてなし」のために。

画像は一例です。