
最近、総菜店の総菜を取り分けるトングが原因ではないかと思われる同一の遺伝子を持つO157の食中毒が広範囲に発生しました。
なぜトングが感染の原因として疑われたかと言うと、この総菜店ではトングの衛生管理が充分ではなく、しかもこの総菜店が扱う食材からはO157が発見されなかったからです。
またこの総菜店の食品を食べていない地域でも、同一の遺伝子を持つO157の食中毒が発生しています。
バイキング形式で食品を取り分ける場合、複数の人物のクシャミやセキ・会話に伴う唾液の飛散が食品に付着する可能性があります。
しかしそれだけで、同一の遺伝子を持つO157の食中毒が広範囲に発生するはずがありません。
たとえばトイレの後に手を洗い、ハンドドライヤーで手を乾燥させたとしても、トイレから出るときにドアのノブに触れることで手指に雑菌が付着してしまいます。
また用便のあとに着衣のベルトやファスナーに触れると、トイレのなかできれいに手を洗ったとしても、トイレを出たあとで着衣のベルトやファスナーに触れると手指に雑菌が付着してしまいます。
トイレのなかでスマホを操作する人が多いのですが、トイレのなかでスマホを操作するとスマホにトイレのなかの雑菌が付着し、さらに食事中にスマホを操作することで手指にトイレのなかの雑菌が付着します。
同様に、トイレのなかの雑菌は紙幣や硬貨・エスカレーターの手すりや、郵便物・宅配便の荷物・タクシーやバスの中に運ばれ、その結果、同一の遺伝子を持つO157の食中毒が広範囲に発生する可能性があります。
もはや食中毒は食品だけが原因でなく、手に触れるあらゆるモノから感染する時代なのです。