JOC森会長発言の女性蔑視発言も「お粗末」でしたが、日本年金機構のTVCMもそれ以上に「お粗末」で軽率なんです。
年金にプラスして受け取り額を割増しすると言うCMらしいのですが、そのCMに十字の記号がたくさん登場します。
十字の記号は「プラス」と読むだけでなく「十字架」を意味する記号でもあります。
代表的なのが「赤十字」であり、「赤十字」のマークを使う際は厳密な規定があります。
(「赤十字」のHP参照)
それなのに「赤十字」以外の病院にも、「赤十字」のマークが表示され、一部の薬局も、「赤十字」のマークを使用しています。
そればかりか「十字」の色がオレンジやピンク・黄色の「疑似赤十字」を掲げた医療機関や薬局も多数存在します。
さらに工事現場に行けば安全作業のための「緑の十字」がいたるところにあります。
なぜそれが問題なのか?
「赤十字」は文字通り「レッドクロス」であり、その「クロス」は十字軍を引き合いに出すまでもなく、キリスト教に結び付いた宗教的シンボルであることは議論を待ちません。
「赤十字」が「赤十字」のマークを表示することは問題ないのですが、「赤十字」以外の病院や薬局までもが「赤十字」のマークや色違いの「赤十字」のマークを使用することは、外国から来日した異教徒の皆さんには抵抗がある現象であると思います。
しかも、多くの病院の診療時間や薬局の営業時間の表示に「祝祭日休診」という文字列を使用しています。
わが国には「祭日」がありません。
それなのに「祝祭日休診」と表示すると、特定の宗教の祭祀(さいし)の日は休診することになり、この表示と「疑似赤十字」のマークが重なると、外国から来日した異教徒の皆さんには、あたかもキリスト教の祭日には休むというニュアンスになります。
つまりわが国は「十字架」と「疑似赤十字」のマークが氾らんする国なのであり、さらに「祝祭日」という憲法に反した表現を不用意に使っている国であることを、東京オリ・パラを開催する今年こそ深く認識すべきであると憂慮しています。
それなのに、それなのに、日本年金機構のTVCMは何の疑いもなく、脳天気に「疑似赤十字」のマークを多用している・・・。
こうしたTVCMに私たちが収めた年金を使っていることを、私は指摘し続けたいと思っています。
訂正:「JOC森会長」は誤りで「大会組織委員会会長」でした。
同氏は2/12辞任。