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企業を再建する手法として民事再生法の適用申請とかM&A(企業買収・合併)、企業再生のプロを招いて経営を委ねる等の方法があります。
最近、こうした企業の再建の方法として「労働者の自主管理による企業再建」を提唱する経営コンサルタントが登場しました。


戦後、長期に渡り旧ユーゴスラビアはチトーが指導者として君臨していましたが、そのチトーが死去したあと、旧ユーゴスラビアは「連帯」と呼ばれた労働者の自主管理による国家再建が図られ、一時期、その斬新な国家体制に世界中が注目しましたが、結局旧ユーゴスラビアは内戦に陥り、四分五裂しました。

「労働者の自主管理による企業再建」とは、いかにも経営コンサルタントが唱えそうな理想論ですが、企業経営の経験がない、経営手腕もない労働者が企業を再建を行ったとしても、取引先や金融機関の信任や協力を得ることは難しく、特に企業再建に伴う賃金カットや厳しい経費の節減にローンを抱えている労働者が耐えられません。


そして、少しでも自立心のある労働者は、傾いた企業を辞めて、さっさと独立します。
その結果、「労働者の自主管理による企業再建」のために残った労働者は、文字どおり「烏合の衆」となるのです。