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Twitterで注目されている職場でのパンプス・ハイヒールは女性にとって苦痛だと主張する「#KuToo」運動が広がりを見せている一方で、根本厚生労働大臣が「#KuToo」運動の署名1万8800人分の要望書と署名が提出された件について、今月5日の衆院厚労委員会の答弁では、「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲かと思います」と述べ、事実上、「職場でのパンプス・ハイヒールの着用は社会通念に照らして企業が業務上必要かつ相当な範囲と判断すれば許容される」との発言があり、その場合はパワハラに該当しない旨の見解を表明しました。

この大臣の発言の背景には、職場でのパンプスやハイヒールは女性にとって苦痛だという主張は、職場にいくつも存在する多くの「愚痴」の一つにすぎず、「#KuToo」運動のきっかけとなったグラビア女優でライターの石川優実氏が自ら認めているように、「私の何気ない愚痴ツイートから始まりました。連日の立ち仕事で、足が悲鳴をあげていた夜に呟いた愚痴ツイート」と書き込んでいるように、「#KuToo」運動は彼女の「愚痴」から始まったことが影響しています。

このため同大臣の上記の発言は、企業が業務上必要かつ相当な範囲と判断すれば、職場で女性にパンプス・ハイヒールの着用を求めることは社会通念に照らしてパワハラには相当しない、極論すれば、きりがない女性の愚痴にいちいち厚生労働省が取り上げるつもりがないと門前払いしたも同然なのであり、結局、「#KuToo」運動がそのものが働く女性たちの愚痴の集合体にすぎないという運動全体の矮小化を招くと共に、むしろわが国の旧態然とした現在の企業体質を肯定した発言となってしまいました。

海外の先進国では、職場で女性にパンプスやハイヒールの着用を強制することはパワハラに該当すると共に、女性の足腰を痛めつけ、働く女性の健康を損なう一種の「労災」とみなす傾向が顕著ですが、わが国ではまだ企業側が必要と認めればパンプスやハイヒールの着用の強制はパワハラにならず、経営側の社会通念にもとづいた判断に委ねるという残念な状況なのです。

また石川優実氏の、「#KuToo」運動そのものが、彼女の「愚痴のつぶやき」からスタートしたことで、上野千鶴子流の筋金入りフェミニズムとは見なされなかったのであり、職場で女性にパンプスやハイヒールの着用を強制することはパワハラだとする意見に署名を集め、厚生労働省に提出するという戦略そのものが稚拙でした。


以前も指摘しましたが、世の中には「美脚パンプス」「就活パンプス」など履きやすさを強調したパンプスが氾らんしていますが、女性用の靴は基本的に見た目のデザインや流行を優先して作られているので「快適さ」は二の次なのであり、さらに「誰にでも合うように作られた靴は誰にも合うはずがない」という矛盾を内包しています。
デパートでは、女性の靴の売り場が化粧品売り場と隣接していることが多いのですが、若い女性にとって脚や靴はあくまでもオシャレやファッションのツールにすぎないのです。
こうした若い女性たちが、外国の運動をマネて署名を集めても厚生労働省が動かないのは当然の帰結と言わざるを得ません。

パンプスを履きたい女性にも、パンプスを履くことが苦手な女性にも、疲れにくくて働きやすく、災害や通勤の往復の労災をもカバーする快適なビジネスシューズを開発すること、そしてパワハラだと騒ぐのではなく、「男女共同参画法」(総務省男女共同参画局)にもとづいて働く女性の健康増進や働く女性のストレスの軽減や能率UP等のメリットを強調すべきなんです。
(一般社団法人 防災減災健康靴普及協会のHP参照)