NHKがシリーズで放送した「パラレル東京 体感首都直下地震」。
あまりにも内容が冗長で見ていて「受信料不払い」をしたくなった!

過去に実際に起きた災害を「再現ドラマ」にして防災の啓蒙に役立てるのであれば、それは公共放送として理解できる。
過去の教訓を生かす、災害を風化させないことは重要だ。

しかし、近い将来起きると想定されている災害をシリージ化して「1日目」「2日目」「3日目」「4日目」と分割し、さらにそれを報道の視点から想定フィクションとして描くのであれば、専門家のコメントやタレントの意見など入れない、完全な「近未来シュミレーションドラマ」にすべきであった。

特に「この情報は未確認だからまだ報道すべきではない」とか、あたかも「災害特番のリハーサル」のようなTV局の内部の葛藤・混乱などは「パラレル東京 体感首都直下地震」のタイトルとは無縁である。
報道が多くの人命を救えると考えることは報道の「おごり」であり詭弁である。
報道は傍観者にすぎない、その無力さの自覚がないのであれば報道などやめてしまえ。
報道の無力さを自覚している者こそが事実を客観的に伝えることができるのだ。

火災旋風と呼ばれる大規模火災で起きる巨大な火炎竜巻についても、ただ早く逃げろというアドバイスのみで、肝心な風向きや木密地域(木造密集地帯)から遠ざかる等の指摘すらなかった。

避難所についても、人口が多い都内では避難所はすぐ満杯になり、避難所こそがもっとも危険な場所になりかねない。
避難所は無差別に避難者を受け入れるべきではなく、ペットを連れての避難に伴うルールづくりや、高齢者・障がい者などの災害弱者については避難所受け入れについては優先的に受け入れる「避難所のトリアージュ」が必要となる。

公共放送として真に視聴者に伝えるべきことは、「首都直下地震が発生したら行政に頼るな、行政はほとんど何もできない、自分の安全は自分で守れ、サバイバルの覚悟をせよ、安全な避難先は各自が確保せよ、最低3日は救助が来ない、海抜ゼロメートル地帯である湾岸5区は広域避難せよ」という心構えである。

内閣府の想定:
帰宅困難者800万人・死者23,000人・負傷者123,000人・全壊175,000棟・消失412,000棟