新型コロナウイルスと同様に広まっているのがネット上にはびこるデマとフェイクニュースです。
残念ながらこのデマとフェイクニュースに効果があるワクチンソフトがありません。

若手の医師や医療関係者・学識経験者までもが「マスクは感染症対策には効果がない、マスクは奴隷がしていたもの」「ワクチンはDNAを変異させる、危険だ」「新型コロナウイルスは地球上の人口を大量に減らすための陰謀で、武漢が発祥地ではない」「本当に重要な情報はことごとく削除されている」などまことしやかな情報を発信しています。

いまこそ何が本当の情報で、何が偽りの情報なのか見抜く知力を身に付けるべき時期なのですが、実は大衆は常に噂や情報に振り回されて、情報の真贋を識別できない存在なのです。

しかも大衆は情報の真贋を識別できない存在であるのに、常に「何かを信じよう」「何かをよりどころにしよう」とします。

その原因のひとつが「アナウンス効果」です。
「アナウンス効果」とは、たとえば選挙運動や経済活動などで、マスメディアが流す情報が人々の心理に作用して行動を変化させることであり、選挙において「有利」と報道されていた候補者が敗れたりする、逆に「不利」と報道され候補者が当選することもあります。
また経済分野では、政府や日銀が何らかの経済・金融政策を発表したことで、想定以上の+か-の政策効果を生むこともあります。
 
さらに「エコーチェンバー」と呼ばれる現象があります。
本来は、閉じられた空間で音が反響してエコーを生じるように設計された残響室のことですが、閉鎖的環境で同質者同士がコミュニケーションを繰り返すことによって、閉鎖的な特定の信念が増幅・強化されてしまう状況を意味しています。

一例を挙げれば、政府や政治家に対して日頃から不信感を抱き懐疑的な人は、政府や行政が発表する公式見解を聞いても信じようとせずに、同じように政府や政治家に対して日頃から不信感を抱き懐疑的な人たちの間で交わされる仲間内の情報を信じやすく、「アナウンス効果」と閉鎖的環境で同質者同士がコミュニケーションを繰り返すことによって起きる「エコーチェンバー現象」によって非公式な情報や噂が「確信」へと変わって行きます。
さらに亜流の医師や「自然派」を自称する医療関係者・傍流の学識経験者までもが、こうした非公式な情報や噂を肯定したり、補強することで噂やデマ・フェイクニュースは簡単には論破したり、否定することができない多数の「洗脳」された支持者を作り出し、遂にはその信条が「倫理」や「正義」にまで増幅されて行きます。
その結果、「この情報を広めることが世のため人のためになる」「周りの人たちにもこの特別な情報を知らせたい」と考え、その情報を「シェア」したり、「リツイート」することで噂やデマ・フェイクニュースの拡散を手助けしまうのです。

デマ・フェイクニュースを意図的に投稿することは違法であり、他者が投稿した不確実な情報を「シェア」したり、「リツイート」する行為も実は「投稿に賛同する表現行為」とみなされ賠償請求された判例も存在します。
訴えられてから「悪意はなかった」「自分もだまされた被害者だ」と弁解しても、その弁解は通りません。

では、世界中にまん延する「怪しげな情報」や噂やデマ・フェイクニュースをどのように見分ければいいのでしょうか?
しかし冒頭で私は、大衆は常に噂や情報に振り回されて情報の真贋を識別できない存在であると指摘しました。
従ってマスメディアが繰り返し流す情報は「アナウンス効果」になりやすいので、あくまでも「参考意見」に留めると同時に、閉鎖的環境で同質者同士が特定の信念や情報を交換しあうことで「確信」へと導くような「エコーチェンバー現象」からも距離を置くべきであり、特に固有の信念を「断定」するようなプロパガンダに遭遇した時は強く「洗脳」を警戒すべきでしょう。
(プロパガンダとは、特定の思想・世論・意識・行動に誘導するための情報操作・心理作戦のこと)

重要なことは「大衆は常に噂や情報に振り回されて情報の真贋を識別できない存在である」と自覚することなんです。